恐怖症とは

人には誰でも、「怖いもの」や「苦手なもの」があります。虫を見ると悲鳴をあげたり、飛行機の離陸の時に緊張したりすることは、あまり珍しいことではなく、この程度では恐怖症とは言いませんし、人と話すのが苦手で人見知りだからと言って対人恐怖症というわけでもありません。恐怖症とは、こうした恐怖を感じる対象を目の前にした時に、身体的な症状が現れるくらいの恐怖を感じて、日常生活に支障をきたすものです。

例えば、虫を見ただけで卒倒してしまったり、飛行機の離陸の時に緊張で震えて汗が大量に出たりするのは恐怖症の症状だといえるでしょう。それほど極端な恐怖を感じるのが恐怖症であり、その対象に対する「好き・嫌い」を超えて反応してしまう精神疾患であると考えられています。飛行機に対する恐怖であれば、飛行機に乗らないように生活していれば問題ありませんので、生活に支障をきたすと言ってもそれを回避するという対処法もありますが、対人恐怖症や極端な虫恐怖症などは完全に回避して生活するのは難しく、普通の生活を送れなくなってしまう恐れがあるので何らかの治療が必要になることもあります。対人恐怖症の場合であれば、相手と話そうと思ってもどうしても声をだすことができず、人によっては誰にも合わないように引きこもってしまうこともあるのです。

恐怖症は、対象となるものも現れる症状もその程度も、人によってかなり違いがあり、そのため世間的に認められていなかったり、わがままのように言われてしまったりすることもあります。しかし、恐怖症というのはれっきとした疾患ですから、周囲の理解とサポートが症状の改善には欠かせません。ただ、サポートすると言っても闇雲に手や口を出すのが良いとは限りませんので、周囲に恐怖症で困っている人がいたら、まずは恐怖症に対する知識をつけ、理解しながら的確なサポートをしてやる必要があります。治療などによって恐怖症が克服できたケースは多くありますので、希望を捨てずに一歩一歩進んでいくようにしましょう。

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