尖端恐怖症

尖端恐怖症は、削った鉛筆や、裁縫用の針などの尖ったものに極端に恐怖を感じる恐怖症です。もちろん誰でも尖ったものに体を刺されるのは嫌なのですが、尖端恐怖症の場合には、刺さるはずのない指先などが自分を指していることにも恐怖を感じたり、街中で尖ったものを見かけるだけでも恐怖を感じたりします。また自分だけではなく、自分以外の誰かに刺さりそうなものにも恐怖を感じることもあります。尖端恐怖症の人によると、尖っているものの尖端が自分のほうに迫って来るような感覚が恐怖につながっているのです。迫ってくる尖端が怖いというのは、ある意味無意識に自己防衛をしているのかもしれませんが、やはり恐怖症というだけあって、過剰に反応しているというのは事実のようです。

実際、自分のほうに尖端が向くと恐怖を感じるという程度ならば、自分や周囲の人が注意することであまり困ることはないかもしれませんが、置いてある鉛筆にも恐怖を感じたり、包丁を持つことも出来なかったりするほどの症状が現れると、日常生活の面でも不便に感じることが多くなってきます。勉強や料理もままならず、生活にも支障をきたしてしまうのです。尖端があるのもの目にするのが怖くて外出を控えるようになる人もいます。

尖端恐怖症の人が先端を見るときなどに引き起こす症状は、かなり重篤で、呼吸が苦しくなったり、動悸が激しくなったりすることもあります。病院での治療を受ける場合には、こうした症状を抑えるための投薬を行ったり、カウンセリングをすることで徐々に症状を改善していきます。尖端が迫ってくるはずがない、と考えるよりも、尖端が迫ってきても手でガードしたり、上手くよけるなど、そのときの対処法を考え、いつでも実行できるように整えておくことで、心に余裕が生まれます。また、なんであれ恐怖症は、それを意識しすぎることで症状を表すので、あまり気にしないようにすることが大切。家族や周囲も自然な形でサポートするようにしましょう。

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