道化恐怖症

道化恐怖症とは、いわゆるピエロを恐怖の対象とする単一恐怖症です。ピエロが恐怖の対象というのは、怖くない人から見ると不思議かもしれません。人を笑わせるはずのピエロが怖いというのですから。しかし、ピエロが怖いという人は意外と多く、その大半が子どものころからずっと怖かったといいます。確かに、ピエロを怖がる子どもは少なくはありませんし、子どもはピエロに限らず白塗りの顔を怖がることがあります。まるでお面のように白く塗った顔は、表情がわかりづらく、子どもにとっては異様な顔なのでしょう。しかも、ピエロはその上に大きな赤い口を描いています。口角が吊り上がった大きな口は、笑っているように描かれているのですがそれはあくまで描かれた笑いです。表情のわからないお面のような白塗りの上に描かれた作り物の笑顔は、子どもの心にも得体のしれない気味の悪さを感じさせるのでしょう。欧米では以前からピエロは面白おかしく人を楽しませる反面、恐怖の象徴のような扱いをすることもありました。ホラー映画などでも意外とピエロが登場することは多いのです。

この道化恐怖症を持つ人は大人でも少なくはないのですが、基本的にはピエロというのはサーカスでお目にかかるもので、街中で突然ピエロに出くわすということはあまりありません。そのため、サーカスなどにわざわざ行かなければ、ピエロに会わないようにすることはかなり容易にできるので、それほど困ることはありません。何かのイベントなどにピエロが現れることはありますが、それほど頻繁に目にすることはないでしょう。ただし、何かの拍子に出くわした際には動悸や発汗、人によってはパニックになることもありますので、ある程度慣れるようにしておくことは大切です。また、ピエロを目にした時の症状が激しいという人や、突然ピエロが現れたらどうしようと普段から不安感があるという人は、心療内科などで相談してみてもよいでしょう。

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