恐怖症の症状

恐怖症の症状も人によって異なるので「この恐怖症の症状はこれ」と決めつけるわけにはいきません。同じ恐怖症でも現れる症状が違うこともあれば、違う恐怖症で同じような症状になることもあります。恐怖を感じるという点は、すべての恐怖症に共通するものですが、そのことによって体に引き起こされる症状はさまざまなのです。

たとえば、高所恐怖症の場合、高いところに上ると「めまいがする」という人もいれば、「パニックになる」という人もいます。虫であれ雷であれ、怖いものを見た時に「呼吸が異常に早くなる」こともあれば「息ができなくなる」という人もいます。現れる症状は全く逆ですが、これもやはりその対象物に対する恐怖症だといえます。恐怖症の場合は、症状がああだから診断はこう、と断定するのが難しく、その人に応じた診断を下して対応していくしかないのです。

よくある症状としては、高所恐怖症の人が高いところに上ってめまいを感じたり、閉所恐怖症の人が閉じ込められるとパニックになったりといったものです。そのほか、対人恐怖症の人が人前に出ると呼吸が乱れたり、潔癖症の人が何度も何度も手を洗ったりといったものもあります。恐怖の対象となるものと対面した時に、めまい・吐き気・動悸などを感じて、パニックに陥ったり異常な汗をかいたり、冷静さを失ったりするのが恐怖症の症状です。そういった症状が継続する時間も人によるのですが、恐怖の対象となるものと対面している間はとりあえず収まることは難しいですし、その対象が眼前から取り除かられもしばらくは収まらない場合もあります。

恐怖の対象となるものもさまざまで、たとえば狭い空間が苦手な閉所恐怖症もあれば広い空間が苦手な恐怖症もありますし、対人恐怖症など人と接することに恐怖を覚えるものもあります。また、特定の物や事象を怖がる単一恐怖症としては、高所恐怖症、尖端恐怖症、歯科恐怖症、赤面恐怖症、暗所恐怖症などが有名ですが、実際にはまだまだたくさんの恐怖症があり、揺れるものが怖かったり、ピエロが怖かったりと、怖くない人にとっては不思議な恐怖症も数多くあります。

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