恐怖症の原因

恐怖症の原因は、まさに十人十色であって、明確に「これが原因」だと言えるものはありません。たとえば、高所恐怖症の人が10人いたら、その原因は10人とも違ったりするのです。また、人によっては物心つかないほど幼いころから感じていた恐怖だったりすることもあるので、原因がわからない、ということも少なくありません。一説によれば、出産時に難産だったのが原因で子供が閉所恐怖症になることがあるそうです。しかし、これも確かな説ではありませんし、難産だった子供がみんな閉所恐怖症になるわけではありませんから、やはり原因として決めつけてしまうことはできません。

人によっては、「昔のあの体験がきっかけで」ということもありますので、そういった場合には原因がはっきりしているおり、その原因を克服することも一つの方法として考えられます。昔いじめにあって対人恐怖症になった、という人は少なくありませんし、小さい時に針が刺さって尖端恐怖症になった人や、うっかり虫を踏んでしまって虫恐怖症になった人など、ほんのひとつのきっかけで恐怖症が引き起こされたりもします。一般的には虫を踏んでしまって嫌な感触を感じてもそのうち忘れてしまい、虫に対する恐怖も薄れてくるのですが恐怖症の場合にはその感触が薄れることなく恐怖感が大きくなっていったり、その感触を忘れてしまっても恐怖感だけが残ってしまったりします。そうなると、もう自分でも何が原因なのかわからなくなってきたりもするのです。

恐怖症の場合、原因を追求することが必ずしも快方に向かうというわけではありませんので、素人が無理に原因を追求する必要はありません。原因を思い出そうとしてさらに恐怖を感じる場合もありますので、わからないのならば周囲があまりあれこれ口を出すのはやめておきましょう。まずは、原因は人それぞれであって、何が原因になるかはわからない、ということだけ理解しておいてください。

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